こんな風になるなんて完全に彼に絆されてる。

 でも、彼と会うまで恐怖以外の感情を持ったことがない私が、こうして嬉しさや楽しみ、安心するなどと思えるようになったことに、また嬉しく感じる。

 リュカはいつも私のことを抱きしめながら怪我の治癒をしてくれる。
 痛みがなくなっていくのを感じて、それも相まって彼の腕の中は本当に心地いい。

 ずっとこうしていてほしい、と傲慢にも思ってしまう。


「治癒はこんなものかな。どう? 少しは楽になった?」


 彼の声が聞こえ、私は顔を上げてリュカのことを見る。


「うん、すごい楽になった。いつもありがとう」

「どういたしまして。ところで、今日は君にいい知らせがあるんだ」


 “いい知らせ”とはなんだろう?

 首を傾げて彼を見る。