【side 葉月】


「葉月、先輩………っ?」


大きな目をさらに大きく開きながら、雪は俺に近寄ってくる。


………あー……やったわ……。

マジで俺、恥ずかしい男だ……。


「ど、どうしてここに……!?」


驚いているのか、引いているのかは分からないが、恐る恐る尋ねてきた雪。


か、可愛い………なんだこれ。

ふわふわでサラサラな桃色の髪、綺麗な瞳、愛らしい声………。


やばい……久しぶりの雪が可愛くて、おかしくなりそう………。


「え……!? あの不審者だった男、イケメン……」

「マジ!? うわぁ。逆ナンしにいく!?」


俺が素顔をあらわにしたことによって、観覧車待ちの女がうるさく声をあげる。

さっきの格好では、目もくれていなかったくせに………図々しい奴らだ。