それから伊藤が起きたのはいつだっただろうか。 驚いた瞬間に椅子が傾いていて、危ない―――と思うより先に、体が動いていた。 伊藤を抱きしめて、ふわりといい匂いがした。 思わず首元に顔をうずめようとして、慌てて理性をたもった。 ギリギリのところでとめようと、したんだが。 不可抗力、と言い訳をする。 伊藤と唇が重なってしまった。