生徒会長さんの溺愛、とめられない。



「し、失礼します……!!」



勢いよく生徒会室のドアを開けて、私はそう言った。


中にいた生徒たちが一斉にこっちを振り返る。


あ、あれ……?



「伊藤雪ちゃんだ……!」

「やばい、可愛すぎる……」

「おい、誰か話しかけにいけよ」



私の方を見てヒソヒソと喋る生徒の数はおよそ14人。


これは、私が想像してるよりも大きな数だった。



……視線が集まってて、つらい……!


なんでいるのか、と言わんばかりに視線を向けられて、言葉に詰まる。


どうしよう……葉月先輩の姿も見当たらないし。



すると、困って何も言わない私を見た、1人の男子生徒が私に話しかけてきた。



「こんにちは。もしかして1組の文化祭実行委員? 遅かったね」


「あ、えっと……」


「遅刻は褒められたものじゃないけど……僕、優しいから。許してあげる」



そう言われて、反論する余地もなく、生徒会室の端の席に案内されてしまった。


私、文化祭実行委員じゃないんだけどな……。


そう思いながらも、強引な男子生徒の圧に負けて、椅子に座ってしまった。


「はーやーく。筆記用具だして。ほら!」


この人、すごく強引な人だなあ……。


なんとなく、こういう人は苦手だ。



「君、名前は?」


「……伊藤雪です」


「まあ、知ってるけど〜」


じゃあ、聞かなくていいんじゃないかな……あはは……。


「はい! 全員揃ったので、係決めていきまーす!」


生徒会室のホワイトボード前に立って、明るい声でそう言った。