体育館の前まで来て、中を除く。まだ誰も来ていないみたいだ。私は掃除用具入れの中からほうきを取り出し、靴箱を掃いた。土日練習の日は毎回掃除をしないといけない。少し面倒だが、気にしないことにした。きっともうすぐでチームのメンバーがぞろぞろと来始めるだろう。私は無意識のうちにまた空を見つめていた。なんだか、空を見ると、心が落ち着く気がする。私の勘違いかもしれないけど。そのとき「こんにちは」という心音の声が聞こえてきた。早く準備始めないと。10分程でネットを立て終えた。ふと更衣室の方へ目を向けるといつも2人でいる、私と同じ1年生の凛と佳奈が出てくるところだった。私は反射的に俯いた。私があの2人にどう思われているのかは分からないが、きっと真面目で静かな子、そう思われているのだろう。私はあの2人が羨ましくてしょうがない。2人はいつも男女関係なく仲良くしていて、周りから頼られるようなタイプだ。私には、程遠い。指先ですら触れられないくらいに遠い。
