あれから5年後、
「ままぁ、ぱぱがかってくれたぁ!どお?」
と、人混みをトテトテ歩いてきたのは愛しい娘の瑚夏(ここな)だ。
「可愛いね!パパにありがとう言った?」
抱き抱えると少し重い。これが成長の重さか、そう思いながら見ていると、
「瑚夏〜!先行かないの!変なおじさんに捕まっちゃうよ?」
「いやだぁ!」
悠真が後を追って来た。
あの後、しっかり順序を踏んで結婚し、瑚夏が産まれたのが3年前。3歳になった瑚夏は人混みも歩けるようになり、可愛さは健在している。悠真は相変わらず優しい。
買い物も終わったし家に帰ると、瑚夏は大好きなおもちゃで遊び始めた。悠真は今日は休み。私が趣味で始めたお菓子作りを手伝ってくれる。
「今日は何を作っているの?」
「瑚夏でも食べられるクッキーだよ。瑚夏だけ食べられないのは可哀想でしょ?」
「ほんと細かいところまで気を使えるのすごいね」
ハートの型抜きを使って形を抜く。悠真は星型の