していた。
その後、引き返して仮眠室で寝ようとしたけど寝れず、小児科のナースステーションで暇を潰していた。すると奏斗が戻ってきた。でもいつもよりも顔色が悪い。目の下にクマができている。
（仮眠させるか…ッ？！）
そう思って呼ぼうとした途端、奏斗が倒れた。
見てみたら睡眠不足なようで、結局俺は嫉妬したであろう相手を背中におぶって仮眠室まで運ぶことになった。
奏斗が起きたあと、睡眠不足の理由を聞いたところあの時の夢を見てしまい、そこから眠れなくなったんだそうだ。奏斗の過去は知っている。でもそれを乗り越え看護師になったんだ、そこは心から尊敬する。でもやはり少し怖いようだ。
「大丈夫だ。いつか越えられる。それに、寝なきゃ本末転倒だろ。奏斗の武器が劣るぞ｣
そう言うと、少し頷いて寝てしまった。