『うぅ……。』

出ていきたいと思ったことは何度もある。

でも彼女の言葉が思うたびに出てきてとどまった。

不眠症になったこともあった。いや、まだ治っていない。

寝ようと思うと朝さんにさらわれてしまうのではないのかという不安が押し寄せて寝れない。

『ひなくん、またねむれなかったの?クマがすごいわよ。』

『うん、勉強頑張らないといけないから。』

『体調だけは気を付けてね。』

『…はい。』

朝さんは、在宅の仕事をやっているらしく、僕の監視をしながら仕事をするというのを繰り返した。