僕はそこから彼女のような人が苦手になった。

病院の先生は彼女にそっくりでまたあのトラウマが始まってしまうのかと思った。

違かったからよかったけれど。

『あの、お、お母さん。』

『あら、ひなくん。どうしたの?』

『学校には、いけない?』

僕はそれを聞くのに何時間も悩んだ。そして、彼女をお母さんと呼ぶのも先ほどとは変わって怖くなってしまった。

『行きたいの?ひなくんは』

『ううん、勉強さえできればいいんだ。』

僕は親父と話すときよりも神経を使っていた気がする。

行きたいのかと聞かれたときの朝さんの顔は鬼そのもので、行きたくても行きたいといわせないような雰囲気をまとっていた。

『わかった。ドリルを買っておくわ。』

僕は前に与えられた部屋に入ると緊張で泣いてしまった。

緊張以外にも、恐怖と不安も入っていたのだと思う。