僕が6歳のときに朝さんにであった。

であったというか、会ってしまった。

『病院ってどこにあるのかわからないのだけど、教えてくれる?』

そう声をかけてきたのが地獄の始まりだった。

小学校から帰っているときに急に話しかけられた。

『いいですよ。』

歩いていたのは僕一人で、そのほかには誰もいないから僕に聞いたのだろうとその時は思っていた。

でもそんなのはただの憶測で、本心は全く違かった。

『車できたから、車に乗ってくれる?』

そういうと、そこに止まっていた車の方へ行き、僕に手招きをするような素振りを見せた。

僕はそのとき純粋だったため、すぐに乗り込んでしまった。

その日、不審者対策の授業を受けたばっかりだったのに。

僕はそんなことすっかり忘れていたのだ。僕を助手席に乗せると、朝さんはこういった。