A Little Bright Life.

「あれ、ひなくーん!」

太陽君のことをひなくんと呼ぶその人は、真っ先に太陽くんのことを抱きしめた。

さっきの私と太陽くんのような優しい抱きしめとは変わり、太陽くんを締めるようなくらいの勢いのあるハグであった。

その人を見て太陽くんと隣の子が、顔を真っ青にした。

まるでこの人を恐怖の対象であるかのように。あのときにお姉ちゃんをみた私の顔のように。そう見えてしまった。

「朝さん。」

「やだなー、朝さんなんて。お母さん同然の関係じゃない」

そう言って彼を叩く手の少し下の手首には、傷がたくさんあった。

誰かに傷つけられたようなものでもなく、偶然ついてしまったようなものでもなく。

「また、切ったの?」

自分で切りつけたようなものであった。

そして、太陽くんのその発言でこの傷が自分でつけたものであったと確信に変わった。

「い、嫌だなあ。偶然切りつけたのよ。」

嘘が少し苦手そうなその人は頭をかくような素振りを見せていた。

「そ。綿ならそこだよ。」

太陽くんはそういって隣の子を指さした。隣の子めがけて太陽くんに抱きついた人はまたさっきのように、抱きついた。

でも、隣の子の表情は苦しさそのものだった。

私はこの二人がどんな知り合いなのか、隣の子は、太陽を本当に好いているのか。

そして、二人の抱きついた人を見る表情がなぜそんなにも苦しそうなのかが不思議でしょうがなかった。