A Little Bright Life.

「ありがとう、ございました。」

彼が出ていこうとしているところに少し大きめの声でまたお礼を言った。一回じゃ足りないような気がして。

「はーい」

彼は私の方を一切見ないで、私に手を振りながら去っていった。

私はその後、彼のことで頭がいっぱいになっていた。彼が私の頭を独占していた。

明るくする。

彼に言われたその言葉が少し引っかかっていた。

明日から少し明るくみんなに接してみようかな。看護師さんとか、先生とか。

そうすれば、また彼に会える気がする。時間がたつのも忘れてそんなことばかり考えていた。