A Little Bright Life.

数日後、私はICUで目を覚ました。

手術はしていないと先生は言っていたけれど、念のためだそう。

「先生、私どうやってナースステーションまで行ったのでしょうか。」

「あー、辻くんっていう人がね運んでくれたのよ。お姫様抱っこで」

きゃーと騒いでいる先生を見て少し乙女みたいと思ってしまった。医者はあまり自分の時間を持ちづらいのだろう。

「……お礼した方がいいよね。」

「来ると思うわよ、多分。あの子すっごく心配している感じだったから。」

「そ、そうですか。」

心配している感じ、か。私を心配している風にして優しい人をアピールしている人を何回も見てきた。

多分彼も同じ人だろう。でも、一応助けてくれた人だしお礼しないと失礼だよね。