A Little Bright Life.

「あなたが、神澤さんを助けてくれた子?」

急に話しかけられて、体が震える。

しかもあの人に似ている人だったから、体がこわばってしまった。

「っ、はい。そうです。」

「お名前とか色々聞いてもいいかしら?」

淡々とはなすところも似ている。でもあの人は病院が世界で一番嫌いな場所って言っていたから、この人は単なるそっくりさんだろう。

「辻太陽です。上牧南高等学校に通ってます。16歳です。」

「16ってことは高二?」

「そうです。一応医療系の大学目指しています。」

「南高って私立の医療系高校だったわね、確か。」

さっきの淡々とした喋り方とは打って変わり、明るい喋り方に変わった。仕事モードから雑談モードにかわったのだろう。

「はい、そうです。」

「へえ、いつかの同僚になる可能性もあるってことでいいのかしら?」

「あ、僕は精神科医目指してて。内科とは同僚にならないかもです。いつ何が起こるかはわからないですけれど。」

「そうねー。私ももともと耳鼻科医志望だったけれど内科医になったからね。変わるものよ。」

「そうなんですね。」