A Little Bright Life.

なんでそんなに心が澄んでいるのだろう。

今のは子供が悪いだろ。絶対許さねえ。末代まで呪いたいところだが、彼女がいいよと言っていたため、よいことにしておく。

子どもはまた追いかけっこを始めたようですぐ騒がしくなっていった。

〈大丈夫ですか〉

そう声をかけようとした瞬間彼女は、過呼吸に襲われた。

「っはあ、はああ……っ」

彼女のつらそうな声。思わず僕は彼女に駆け寄った。僕の学校は医療系を目指していたり、医者の息子がいたりするため、仲いい
人にこういう時の対処法を教えてもらっていた。

過呼吸はまず深呼吸を促した方がいいのだっけ。

「はい、深呼吸しよう。スーハー。」

彼女はさっきのように目を開いて驚いていたが、それどころではなく深呼吸をしっかりしていた。

「すーはー」

可愛い風に深呼吸をしている彼女を見て、それどころではないのだろうけど、恋に落ちてしまった。

一回も話したことのない彼女を好きになってしまった。

今まで感じたことのないくらい好きな気持ちが広がっていく気がする。

「うん、いい子。」

そう話しかけると過呼吸は止まったけれど、彼女は意識を手放したようで、僕に寄りかかってきた。

すぐに倒れてしまうほど、彼女は体が弱いのか。

おかしいくらいに体が軽い彼女は、ごはんをあまり食べていないようだ。

病院食は、栄養ないって聞くからな。