「…辻くん」

電気がついたと思ったら、先生が来ていた。

その表情は、ひかるちゃんに宣告をしたときよりも苦しそうだった。

なんでそんなに苦しそうなの、

「これ、ひかるちゃんの引き出しに入ってた。」

そう渡してくれたのは、一切れの紙だった。

そこには震えた字で、【お守り】と書かれていた。

『ひかるちゃんへのお守りは僕だからね』

僕が言った言葉を思い浮かべる。

僕のお守りをくれたのかな。

「……ありがとう」

先生とひかるちゃんにそう言うと僕は自分の家へと帰った。

お守りをしっかり握って。

光がなくなった世界で生きる太陽は灰のようだった。

でも、光がなくなる前に作った光が、また太陽を光らせた。