車いす。

太陽くんが押す車いすに乗るのは楽しい。

でもそれと同時に複雑な気持ちになってしまう。

私はなぜ歩けないんだろうとか。

いけないいけない。

念願の桜なんだから晴れた気持ちで見に行こう。

「行こう」

外に出たのは数週間ぶりだった。

桜は散る気配はなく、私を待っていたようだった。

ありがとう、桜。