A Little Bright Life.

翌日。
僕は親父に乗せられて北上牧に来た。
北上牧は南上牧より何倍も田舎でのどかな雰囲気が感じられる。
親父がここに精神病院を作ったのも少し納得できる気がする。
「ふう」
「ため息なんてあとでもっと吐くことになるから後にしとけ。」
「はいはい」
深呼吸をそう言われ、いつも言われている言葉だから笑いそうになってしまった。
「太陽くん、ごめんねぇ。これお願いするわねえ」
「はいよ、おばちゃん」
「ありがとねえ」
僕はいわゆる雑用係。
すごくこういう頼られているような気持ちになれる係は好き。
小学校のとき、お手伝い係というものをやった気がする。
あの時はめっちゃ楽しかった。
クラスの人意外と頼ってくれて、僕はヒーローになった気がしていた。
「太陽、電話なっているぞ」
「へーい」
どうせ重要な電話じゃないだろうと無視してしまった。
その無視が良くなかった。