「あ、そうそう!ひかるちゃーんどうしよう。また無表情で接しちゃったよぉ」

わぁーんと泣きだした海原さんはとてもかわいかった。

海原さんはどうしても無表情になってしまうらしく、怖いと思われがちだと言っていた。

私と綿ちゃんが聞いた悪口というのは、本当に言っていたことではないらしい。

私も綿ちゃんも精神的に病んでいた時で、海原さんの表情と相まって、

それで海原さんがしゃべっていたらそう聞こえてきてしまったようだ。

「えー、じゃあもうちょっと口角上げてみたらどうですか?」

私は明るく話しかけてみて!とか口角を上げてみたら?とかアドバイスをしようとしてる。

勝手に悪者にしてしまったからね。

「そうかー、頑張ってみる。」

私は去っていく海原さんに手を振る。

海原さん、話してみたらすごくいい人なんだよな。

てっきり何にも関心がないように見えるけれど、アイドルのオタクだって言っていたし。

しかも熱狂的らしい。CDは必ず10枚買うとか、ライブは全公演今のところ当たっているとか。

すごい。