「綿、ひかるちゃんになんか言った?」

ひなくんは私に取り調べをするかのような形相で言ってきた。

私はそれが怖くて怖くて、言えなかった。

悪いのは私です、ごめんなさいって。

ひなくんは私が嘘をついているのは分かっていたようだった。

それでも叱るような素振りがなかった。

ああ、本当にひなくんってなんでこんなに私を揺らがせるんだろう。

私はずっと忘れたいってあの日から思っているのに。

ひなくんのせいで、忘れられないじゃん。

必死にひかるさんを追いかけていくひなくんをみて私は涙する。

それを見たひかるさんのお姉さん・みらいさんは私を抱きしめてくれた。

あの日泣いているひかるさんを慰めるように抱きしめたひなくんのように。