【きゃー!】

【待て、葵ー!】

【まってよ、なな姉。】

僕は昔聞いたそんな声が聞こえてきた。

【七海と葵だせや、こらあ!】

ドアの前に立つとそんな声がすぐ耳元で聞こえる。

昔の朝さんが殴られている場面も鮮明に見える。

【……】

朝さんがみる彼女たちの表情はとても残酷のような顔だった。

また地獄になる、いやだ。

そんな感情も垣間見える。

「ふぅ」

僕はそんな過去を一度おいて、深呼吸をした。十年ぶりに朝さんとのトラウマを克服するんだ。

大丈夫、できる。