事件が起きたのは、監禁が始まった一年後だった。

『なんでぇぇぇぇぇ!!』

家にそんな叫びが聞こえた。

朝さんの長年の付き合いだった彼氏さんが急に別れようといったらしい。

愛が重めな朝さんは、あなたしかいないと常々言っていた。

子どもの前でもそんなことを言っていたから、彼氏さんは少し苦笑いだった気がした。

僕らは、いつものように遊んでいたら朝さんはそれにもっと頭が来たようで、僕たちを投げ飛ばした。

そこらにあるものを殴れるだけ殴った。

綿は小さかったから泣き出してしまうし、朝さんはそれでもっと感情が爆発するしで大変だった。

綿が眠っているのを確認して朝さんの方へ行くと、頭を抱えていた。