目の前には温かい弁当と、すでに冷めたカップのスープ。 ムダに買ったコーヒー缶2本。 あったかいのと…。 冷めてしまったコーヒー…。 どっちだろうな? 俺と君。 どっちがあったかいんだろう? ……――俺の様子に気付いたのか、君は近くに座り、何かを覚悟したように鞄の中から1枚の紙を出した。 そして。 「はい」 と俺の前に置く。 ぼんやりとした視線を落として、目の前の紙を見た。 『異動受理』 は?