ガタン、という音に驚き我に帰った。 急いで涙を手の甲で拭い、音のした方にいるであろう人を見ることもなく、歩き始めた。 ここにいるのは、良くない。 そうも思えた。 足早に出口に向かう。 「…もしかして、六花?」 頭の上で男の声がした。 「?」 「あ、やっぱり。久しぶり!俺のこと覚えてる?クラスメートの山碕!」 山碕…? あぁ。 クラスメートで、同じ部活で。 ……彼の友達だった、山碕くん。