卒業して何年もたっていないのに、ものすごく懐かしい。 校舎、グラウンド、校庭も。 瞳を細めてしまうくらい眩しい輝きに包まれていた。 何もが当たり前だったあの時のあたし達に戻ったみたいに、心が明るくなった。 「六花〜」 「久しぶり〜!」 これまた懐かしい面子が、笑顔で手を振っている。 一瞬にして華やいだ空気になった中、式典の始まりを告げるアナウンスが流れた。 「六花、あれ!」 「え?」 友達が笑いながら指差した方向に。