あの曲が。

あたしを今まで、どうして離さなかったのかわかった気がする。

矢田の瞳そのものなんだ。

逸らしたくても逸らせない、瞳。

矢田のパワーが注ぎ込まれてるから…。


「果歩?」

矢田はあたしの顔の前でブンブンと手を振る。

「へ?」

「大丈夫かよ…」