「だから、いつも声かけたかった…」

「え…」

「でも果歩。俺のこと内緒な。学校にもクラスの奴にも」

「うん」

矢田はあたしに近づいて頭をぐしゃぐしゃと撫でる。

「や、やめてよ」

「いつもこうしてればいいのによ」

「何よ、さっきから」

「笑ったりびっくりしたり、百面相のお前の方がいいって言ってんだよ」