「それは!」 答えなんか待たないで、俺は弁当に手を伸ばした。 「ダメ〜!」 伸ばしてきたあいつの手を握って、もう一つ摘む。 「うまいじゃん」 「え」 「なんで俺ん中入れてくんなかったの」 「だって…」 「……さっきは、ごめん」 俺は素直に謝った。 今にも大泣きしそうなあいつの顔を、俺もまともには見れなかったけど…。