軋む職員室のドアを開ける。 もう古い校舎だから仕方ないけど。 でもあたしはこの音が好きだ。 「おぅ、やっときたか」 プリントや参考書の山から担任が顔を出す。 「…いつものことでしょ」 「相変わらずひねくれてるな、まぁ、場所変えるか」 「…」 担任はよいせと腰をあげ、あたしを連れて、社会科準備室に向かう。 自分の教科だから…… なんてことは口実。 蒸し風呂みたいになっている部屋の窓も開けず、あたしを入れた途端厳重に鍵を閉める。