「優星!」
僕の耳に届いたのは会いたくてたまらなかったあやの先輩の声が聞こえた。
あぁ、僕は疲れてるんだな。
「ついに幻聴まで聞こえるなんて…」
僕はため息マジにそう言うと。
「幻聴じゃありません!よーく見て、優星」
グイッと顔を掴まれて目の前にはあやの先輩の顔があった。
僕は目を見開いて震える手であやの先輩の顔をぺたぺたと触る。
すべすべの肌…。
それに…僕の顔を掴む手は温かい…。
「本…物…?」
僕は目が潤む。
…視界がにじむ。
本当に本物…?
僕の目の前にあるあやの先輩の顔がニコッと微笑んだ。
「もちろん本物だよ」
そう言った瞬間、あやの先輩は僕をギュッと抱きしめた。
「会いたかった…優星」
そう言うあやの先輩は…震えていた。
そしてポタっと何かが落ちてきた。
もしかしてあやの先輩…。
「…っ、会えないかもなんて…っ、思っちゃったよ…っ」
嗚咽混じりでいかにも泣いてるって感じの涙声で僕はたまらなくなった。