どうしてこんなことになってしまったのだろうか…。
僕はぎゅっと鞄を握りしめる。
「ねぇ、優星!これ美味しいから食べてみなよ」
そう言って満面の笑みでフォークをスッと僕の方に近づける仕草はまるで…あーん、みたいじゃないか!

──17時間前。
「私と学校終わりお買い物したり食事に付き合ってよ。お金は払うからさ!」
ニカッとなぜか解決!みたいな感じで笑っている彼女。
「いやいやいや!何言ってるんですか!お金払うからって貴方そんなお金あるんですか?」
と言うと彼女はキョトンとした顔で僕を見た。
そして僕の前にピースをしてまたニカッと笑った。
「問題ない!お金なら腐るほどあるよ!だから問題ないよー!だから、ねっ!」
「いくらなんですか?」
僕は金額を聞いてみた。
どうせあるって言っても1日に払える金額なんて所詮一万円以下だろう。
彼女はあきらかに若そうだし…。
と僕はそう思っていた。
だけど彼女は…。
「うーん、いくらがいい?10万にする?もっとがいい?」