もうあの日から2週間が経った。
優星が綾野幸希先輩に会えなくなってから…。

「優星、大丈夫?ご飯食べないと」
私は昼休みになると優星の元へ行く。
それが私の最近の日課になってしまった。
「ううん、食欲ないからいい」
目の下にはクマがあり、ご飯もろくに食べていないのだろう。
痩せてしまっている。
これじゃあ優星が倒れちゃうよ…!
「優星、さすがに食べないと倒れちゃうよ」
私がそう言っても優星はずっと……スマホを見つめていた。
きっと…あの人からの連絡をずっと待っているのだろう。
「…あやの先輩」
「……っ」
無意識に優星はあの人のことを呼んでいる。
優星があの人のことを好きだっていうことはは知っていた。
ずっと……ずっと見てきたから、優星のことを。

優星と出会ったのは今から2年前の中学2年生の冬。
私は…一目惚れをした。
優星は家庭科部に入っていた。
私は部活に興味がなく、何も属していなかった。
放課後だって帰る時間が違かったのになぜかあの日は遅くまで残っていた。