僕は今、あやの先輩を避けてしまっているいるんだから。
それにあやの先輩に直接聞いてもし本当に綾野幸希なら僕はどうすればいいんだ?
もうあの関係は終わりになってしまうのか?
「……っあやの先輩」
僕は自室へ戻るなりドアにもたれかかるが力が入らなくてズルズルと落ちていく。
綾野幸希なら僕に勝ち目なんてない。
だってあやの先輩には婚約者がいるんだから。
どうしたって僕の恋は実るわけない。
苦しい……っ。
僕は服をグッと掴む。
あやの先輩のことを知りたい。
でも……知るのが怖い。
あやの先輩……あやのは名前じゃなかったの?
聞きたいことはたくさんあるんだ。
あやの先輩に会いたい。
あやの先輩の声が聞きたい。
あやの先輩の笑った顔をみたい。
あやの先輩とまた放課後遊びたい。
僕は……あやの先輩のことが好きだから…。
その時だった──。
プルルル……。
着信を知らせる音が鳴った。
誰だろう、こんな時間に?