夏休みに父さんにあやの先輩を紹介したその次の日から父さんは正社員として勤めることが決まったそうだ。
何件も応募してたからな…本当によかった。
僕は心からそう思った。
いつも朝早くに準備して18時頃に帰ってくる。
そんな毎日が父さんは「楽しい」と言っていた。
またこんな日が来るなんて……思わなかった。
今働いているとこは給料も待遇もいいそうでこの調子なら借金もすぐに返済できるかもしれない。
そうしたらまた…あの頃みたいになれるかな?

「優星!ごめんね、お待たせ」
「いえ、全然待ってませんよ」
「本当?ならよかった!」
今日は日曜日。
父さんは仕事が休みの日だ。
毎週日曜日は休みが取れるみたいだ。
休息する日があって僕はホッとしている。
「そういえば父…のことなんですが」
「うん」
僕が話始めるといつも通り笑って頷いて聞いてくれた。
「正社員として雇ってもらえるとこを見つけて、それから借金もすぐに返済できそうなんです」