クラスメイトの人…幸希先輩を虐めていた人にはそこの会社が資金を減額するよう指示し、学校側に訴えられたくなければすぐにその首謀者たちを退学させろと脅迫まがいなことをしたみたいだ。
黎智さんは自分のことを悔いている。
幸希先輩のお見舞いに毎日かかさず来ている。
忙しいはずだろうに毎日…。
黎智さんの幸希先輩を見る眼差しが優しく愛おしそうに見えた。
それでも……幸希先輩が目を覚ますことはなかった。
そうしているうちに1月が終わり、2月がやってきていた。
「幸希先輩、まだ少し肌寒いですけど過ごしやすくなってきましたよ。お花見も来月一緒に行きたいです。まだ……」
僕はそこまで言って止めた。
涙が溢れてしまいそうになったから。
僕はまだ…幸希先輩と一緒にたくさんの場所を巡りたい。
たくさん話したいことがある。
テストの成績が上がったこと。
栄知や琳斗、美琴とすごく仲良くなったこと。
それから僕…バイトを始めたんだよ。
幸希先輩に貰ってばかりだったから。
少しでも返したくてバイトを始めたんだよ?