あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした

あやの先輩が電車を乗り駅を使うことはなかった。
「私ねこの駅周辺のお店全部巡りたいの！」
突然、あやの先輩はそう言った。
少し大きな夢だとは思ったけど……。
「楽しそうですね、あやの先輩となら」
あやの先輩ならなぜかやってしまうのではないかと思った。
まだ出会って2日しか経ってないけどあやの先輩はやると言ったら必ずやり遂げてしまう。
そんな気がしてならない。
それにあやの先輩とならなんでも楽しそうだった。
「そういえば優星はクラスメイトと仲良いの？」
唐突に僕の話になり僕は一瞬解答に詰まる。
クラスメイトと仲良いのか僕にはあまり答えられないな……。
でも。
「あまり仲良くはない…ですね」
「じゃ……」
僕がそう言うとあやの先輩は何か言いかけたが僕は遮ってしまった。
「でもいつも声をかけて話しかけてくれるクラスメイトが2人います。いつも声をかけられていて今日だって…いつもより顔色がいいし元気そうだって言われちゃいました」