あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした

今まで私の命令に従わなかったことなんてなかったのにどうして…?
調べると幸希は毎日夕方の学校終わり、葉山優星という少年と食事していることがわかつた。
お金を渡していることも。
そして葉山優星の父親を幸希に任せている子会社に雇っていたことも。
さらには幸希の婚約者である堀北栄知や他の2人にも紹介していたこともわかった。
一時は自宅謹慎を命じたが幸希は少ししてから脱走した。
その脱走した日に普通に戻ってきたが。
幸希は変わっていた。
葉山優星という少年に出会ってから。
──幸希は変わってしまったのだ。
そして…年が代わり、幸希の誕生日。
雨が降っていた。
その時、ふっと思った。
あの時も雨が降っていたな…と。
確か幸希が大雨の中、帰ってこなかった時だった。
高校2年生だから問題ないと思ったが心配だった。
もし万が一のことがあったら…と考えると怖かった。
戻ってきたのは3時過ぎだったと思う。
連絡を貰った時はホッとした。
でもどうしてそんな時間に出歩いていたのかはわからなかった。