どこを見ているのかわからない。
それに……幸希先輩をまるで自分の所有物みたいな口ぶりで言った。
幸希先輩がこうなったのは…少なくともお前のせいだ……っ!!
「娘に近づいた目的があるのか?あの子は君に出会ってから変わってしまったよ。悪影響だ」
悪影響…?
本当にこいつは…幸希先輩のことをなんだと思ってるんだ?
『助けてほしかったんだと思う』
幸希先輩はその生活に苦しみ助けてを求めていた。
まさに橋から飛び降りて死んでしまおうとするほどに…苦しんでいた。
「金ならやろう。…いくらだ?」
僕は頭の中で何かがぷつっと…切れた音がした。
その瞬間、僕は自分でも驚くほど…幸希先輩の父さんの胸ぐらを掴んで怒鳴り声を上げていた。
「幸希先輩が死んだのは全部…あんたのせいじゃないか!!あんたが……あんたが幸希先輩を追い込んだ!苦しめた!!」
「なにを言って……」
少し動揺したのか…無表情だった顔が揺らいだ。
でも僕はそんなことよりも溢れ出した怒りが収まることはなかった。