「お前馬鹿?」

よくよく考えてみると、晶に向かって馬鹿って言う事が多い

馬鹿な子ほどカワイイというが・・・

オレは晶の目線までしゃがみ込んだ

「なんで会ったばかりの奴を信用できんの?オレ達年頃の男が考えている事教えてやろうか?」

そう。オレがずっと考えている事

「女がいたら、チャンスがあれば常にやりたいと思ってるんだぜ」

オレは真っ直ぐ晶を見た

晶の桜色の唇から首筋へと唇をはわせて、オレのものだという印をつける事ができたら、この苛立ちから開放されるのだろうか?

ゴクンと晶が生唾を飲んだ音が聞こえた

「・・やりたいって・・なにを・・私はただ・・」

晶はオレから目線をそらし、少し顔を歪ました

「何をって。今更」

オレは呟きながら、晶の髪をつまんだ

「セックスに決まってるだろ」

「/////」

オレの発言に晶の顔が見る間に赤く染まって行く

大きな瞳が少し潤んでいる

まるでリンゴみたいで、かわいい

「すげえ、顔真っ赤。お前でも意味知ってるんだ」

「なんで、そんな事言う・・の?私はただピアノを聞きたかっただけなのに。どうして・・酷いよ、皇兄」

晶の声が涙声に変わっていく

『ピアノを聞きたかった』恐らくそれは晶の本心だろう・・だが

「酷い?オレの気も知らないで、酷いのはどっち?お前知ってる?音楽室の奥は防音の小部屋で、騒ごうが喚こうが外に声が漏れない。男にとっては絶好のやれる部屋だって事」

「・・て。もうやめて!」

晶の白い首筋にポツンとひとつ、赤い湿疹が浮き出てきた

晶は興奮状態(怒り)に陥ると、攻撃疹とでもいうのだろうか、蕁麻疹が首筋から上に出てくる

湿疹の周りが見る間に赤く染まっていく。まるでキスマークみたいだ

「やめない。お前にその気がなくても、音楽室に男と二人きりの時点で合意の上になる。お前の中でもピアノ以外に何かを期待してー」

「やめて!!・・って。出てって。お兄ちゃんなんて大嫌い!!」

晶の攻撃疹が顎の下、額にくっきりと現れた。晶の怒りが頂点に達した証

「あ・・そ」

晶の髪から手を離し、ベットから下りて晶の部屋から出た

大嫌い・・か。嫌われたな

それでも、オレはお前の事が好きだよ