「どうしたの?その頭」

 「あ、これ?」
 前髪にかかったひと房の髪を五十嵐は摘まみ

 「反・抗・心♪」
 とニッコリ笑う

 声はいたって明るいが、放たれた言葉の意味はエグイ

 私・・五十嵐に嫌われるような描写、したかなぁ・・?

 今回、五十嵐が登場する場面を一番手直しした

 セリフとか、描写とかイロイロ

 何だかんだと五十嵐が一番、他のキャラ達と絡む場面が多かったからだ
 皇紀を筆頭に、晶と然り、沢村兄妹と然り・・キャラ達を次のステップへと導く起爆剤の役目だったから

 五十嵐の役目は大きいし・・重大!!

 皇紀は、晶とのイチャイチャがない!と不満を言っていたけど、五十嵐はもっと『コイバナ』的な要素が見当たらない

 「すみません・・・何と申し上げていいか分かりませんが、私の力不足くとしか言いようがなく・・」

 「はぁ?何言っちゃってんの?そんなの、作者の権限でどうとでも出来るよね!?俺はとにかく、あの生意気なクソガキをなんとかしてほしいんだよ!!」

 はいはい

 恋のお相手は、『クソガキ』っと・・

 ん?『クソガキ』って??

 「え、えーと、五十嵐、自分に目立った『コイバナ』エピソードがなかったから怒ってるんだよね?」

 「あ?」
 ギンと睨まれ、ウェーブのかかった赤い髪が炎の様にゆらゆらと揺れる

 「違うし。皇紀みたいにオープンにされて、泣かされるなんてあり得ないから。人の『コイバナ』は、鑑賞するから楽しいんだよ。俺は、話の中心にならなくてもいい」

 「だったら、何に怒ってるの?」

 「一人だけいただろ、『神・僕』の中で、男女の友情は成り立つっていう持論を持ったヤツが・・・」

 あっ、クソガキって・・

 晶の親友になった『桜場 聖二(さくらば せいじ)』の事を言っていたんだ!

 作中でも、五十嵐と桜場は、犬猿の仲

 ことごとく、ぶつかってた

 そして、五十嵐が一番あり得ないと豪語したのが、『男女の仲に友情なんてない』と言う事だ

 「アイツ、『晶』って呼び捨てにしたり、『俺が彼女を守ります』って言ったり、挙句の果てに晶ちゃんとは『親友』と貫かすし、絶対にあり得ない」

 まぁ・・確かに・・男女の仲に『親友』は成り立つのか?は、永遠のテーマみたいなもの

 作者的には、あると思っているから、晶と桜場は『親友』として位置づけをした・・けど

 やっぱり、五十嵐は鋭いかも

 皇紀と晶が結ばれなかったら、晶の将来の相手は、桜場にしていたかもしれないから