嬉しい・・

 皇兄も私が好きで・・・私も皇兄が好き・・

 私・・皇兄の『恋人』になれるんだね

 私の想い、皇兄に届いたんだ・・・

 
 『私の好きな人は、私の事を幸せに出来るのか?』


 神社で会長さんと別れる時、最後にそう聞かれた

 その時は、答えることが出来なかったけど、今ならはっきり言えるよ

 皇兄は、私を幸せにしてくれる

 皇兄が傍にいてくれるだけで、私は幸せになれるの


 幸せ・・・?
 私の頭の中で、幸せという言葉が響いた

 私は・・・私の方は、皇兄を幸せに出来るの・・・?

 私は皇兄から今までも沢山の幸せをもらって来た・・同じくらいの幸せを私は皇兄にあげる事が出来るの・・・?

 「晶・・」
 皇兄が私の名前を呼んでいた

 私は・・・この人に、私がもらった分の幸せを返すことが出来るの?

 いつも、後先を考えない私が・・この時だけ気付いてしまった

 私という存在は・・『妹』という存在は、皇兄を不幸にしても、幸せには出来ない

 私は何て・・バカなんだろう。皇兄を好きになって、何も考えないで行動してた

 頭の中では、『妹』だとわかっていたのに、自分の想いさえ伝わればいいとし考えていなかった

 ただ、好きだという感情だけで、自分さえよければって

 この先の皇兄の幸せを何も考えないで

 私の未来なんて、たかがしれてる。けど、皇兄には・・明るい未来が真っ直ぐ伸びている

 お父さんもお母さんも・・みんな皇兄に期待してる

 皇兄・・優しいから・・きっと私たちの関係が周囲に漏れたら、きっと全責任を背負うと思う

 そしたら、皇兄が今まで築きあげてきたものが、私のせいで壊れてしまう

 皇兄には、いつも前を見ていてもらいたい

 私は・・私以上に、皇兄に幸せになってもらいたい

 どうして、こんな大事な事に気付かなかったの
 本当の『好き』って、相手の幸せを願う事だったのに

 「でも、ダメなの。私と付き合ったら・・皇兄だめなの」

 私はきっと、・・皇兄の明るい未来以上の幸せをあげれない

 「それは、オレ達が、兄妹だから?」

 やっぱり、皇兄は頭がいいね。私はやっと気付いたのに・・

 「そう。私たち兄妹だもの・・」

 皇兄の『兄妹』という言葉に、私はうなづいて、悲しみを見せないように笑うしかなかった