背中が焼けるように熱い

「うーん」

オレの背中で晶が寝返りを打つたびに、立ち止まってしまう

「あきら?」

起きたのか?声をかけるが、反応はない

「はぁ」

オレは深々とため息をついた

好きな女がこんなに傍にいるのに、すごく遠く感じる

『あきらの事が好きだ』って告げたら、少しは近づけるのだろうか?

どうして、オレ達は兄妹で出会ってしまったのだろう

兄妹じゃなくて、もっと別の形で出会えたなら・・

そんな事を考え出したら限がないのは分かっている

ほら、もうオレ達が兄妹だと認めざるえない家についた


「ただいま」

「お帰りなさい。皇ちゃん。晶ちゃんがまだ帰ってないの」

「シッ。晶ならここに」

「あら。大変だったでしょ」

「まぁ」

オレは曖昧に返事をした

「夕飯は?お腹空いたでしょ。晶ちゃんも起こす?」

「いや、このまま部屋まで運ぶよ」

「じゃぁ、お願いね」

母さんはニッコリ笑って、リビングに引き上げて行く

信用されてるんだなーオレって

母さんオレ、妹の晶が好きなんだぜ

妹してじゃなく、女として。そう言ったら、母さんどうする?

 
階段を上がり、晶の部屋に入る

電気は、オレンジの豆電球を点けた

片手で晶を支え、布団をはぐる

ベットの端に晶を座らせ、リュックを下ろし、晶を抱きかかえ寝かした

「うーん」

晶は少し苦しそうにブラウスの襟をつかんだ

ネクタイ、緩めてやらないと

「このまま寝たら制服が皺だらけになるぞ、晶」

「・・ん・・にゅが・・して」
晶は独り言のようにつぶやくと、寝返りを打った

脱がして?・・って言ったよな・・?

「おい、お前、本気で・・」

・・・な訳ないか。今の状況をわかってないもんな?

ブレザーのボタンを外し、片腕ずつ袖を抜き

ネクタイの結び目も緩めて外し、ハンガーにかける

「んんっ」

晶はまだ苦しそうに襟を掴んでいた

上の襟のボタンまでかけているから苦しくなるんだろ

「今、外してやるから動くなよ」

晶を見ないようにボタンに手をかけるが、なかなか外れない

晶の体温がオレの指先を通じて伝わってくる

細くて、白い首筋

小さくて、かわいい唇

キスしたい・・そう思った