今日で、生徒会の予算の件も終わる

 私が、皇兄に料理するのも最後かぁ

 本当は皇兄の好きな料理を作ってあげたいけど、それだとバレてしまうよね

 でも・・最後だから、ポテトサラダと、鶏の唐揚げも一緒に作っちゃおう

 「唐揚げ頂き」

 揚げたての唐揚げを横から摘んだのは、会長さんだった

 「行儀悪ですよ」

 「ええやんか。ほく・ほく。めちゃうまいで」

 「今日で最後だから、作っちゃいました」

 「今日で予算の件も片付くよって、ささやかな打ち上げしたいんやけど、『もも』も生徒会室に来いや。こーちゃんにも紹介したいしな」

 「え!」

 私を皇兄に紹介する!?
 それは・・まずい。皇兄は私と会いたくないはずだから
 私が存在で雰囲気が悪くなってしまう

 ホントの事、会長さんに言わないと・・私が皇兄の妹だって事

 「会長さん私、ずっと黙っていた事があって、実はー」

 RURURURURU
 間を挟むように、会長さんの携帯が鳴った

 「なんや、こんな時に。すまんな、もも」

 「いえ・・」

 会長さんは携帯に出ながら、調理室の窓際へと足を運んだ

 「はぁ」
 
 会長さんの電話が終わるまで、ポテトサラダの味付けをしようかな

 ボウルに入っている潰したジャガイモに、刻んだキュウリ、ハム、ニンジン、タマネギを入れ、マヨネーズで味付けをする

 そして、ここで砂糖が登場。私は隠し味に砂糖を入れるのだ
 萌ちゃんや、友達に砂糖を入れるっていったら、ビックリされたっけ
 でも、砂糖を入れれば、酷が出て美味しくなると教えてくれたのは、皇兄で・・・

 そう言えば、私が最初に作った料理って、ポテトサラダだった
 作ったと言っても、ジャガイモを押し潰しただけで、味付けは皇兄がしてくれたんだけど。それって、作った事にならないか

 「もも~。ごめんなー」

 「え?」

 「今日、生徒会長の合同会議があるんや。すっかり忘れとって、今から行ってこんとあかん。ももはここ片付いたら、生徒会室で待っとって」
 
 「私、ここで待ってます」

 「あかん。また、昨日みたいに変な男が来たら困るやろ」

 「大丈夫です。だから」

 「だめや。俺の言う事ちゃんと聞き。あそこは、双葉もこーちゃんもおるから俺も安心や」

 私は、まずいんですけど