「なーんてねっ。いつも優等生の皇紀くんに、一度意見してみたかったの。おっ窓の外に由香里発見!」

五十嵐は元気よく、窓の外に手を振った

「ゆかりーん!一緒に学校行こうぜ。そこで待っててー」

「はーい」

窓の外で五十嵐の返事に答える高い声がする
 
「そーいう事で、俺は行っちゃうけど、お前どうする?」

五十嵐は、窓の桟から床に降りる

守る・・守りに入っている・・・オレが・・

オレはゆっくり、目を閉じる

はっきりしているのは、オレは晶が好きだという事

その晶に好きな男が出来たかもしれないという事

仮に晶の想いが通じて、その男と付き合うことになったとしても

オレは、晶を諦めることは・・ない

そうすると、答えは必然的に出てくる

晶の方に諦めさせればいい

フッ。そう考えると自然に笑いが込み上げてきた


五十嵐の机の引き出しから、勝手に煙草を取り出す

長年の付き合い、隠し場所は相変わらず変わっていない

「一本もらう。火 貸せよ五十嵐」
 
「高くつくけどいい?皇紀」

シュッとマッチが擦られ、煙草に火をつけられる

「倍にして、シャツと一緒に返してやるよ」

まずは母さんが言う、晶の好きな相手を見つけ出さないとな


あぁ、空が吸い込まれるように青かった