皇兄の部屋はベッドと机と本棚しかない、いたってシンプル

久しぶりに入ったけど、相変わらず綺麗にしているなーと思う

本棚には難しい本ばかり並んでるし

私の本棚なんて、マンガばっかりなのに

私に見られていると、チーズケーキを食べれないという困った兄の為、側を離れて部屋の散策に出ていた

「勝手にいじるなよ」

「し、しないよ」

やばい、やばい。いじる前に釘をさされちゃった

カチャとお皿にフォークを置く音がして、皇兄へと視線を戻すと、コクンと喉ぼとけが上がる所だった

「食べてみてくれた!! ね、今回は何点?何点!?」

皇兄は味見をテストの点数のようにつけてくれる

はっきり言って今まで50点以上つけられていないのが現実

「さ・・」

皇兄の唇が『さ』と読み取れた

「さっ最高!って事?」
最早、点数が付けられないくらい極上の味とか!?

「いや、30点」
秒殺で天国からどん底に落ちてゆく

さ・・30点!?

「う・・・うそだー!残ってるの食べさせてよ」

皇兄からお皿とフォークを奪い取る

「ば・・か。オレの使ったフォークを使うな・・ば・・やめろって」

この際、皇兄の使いさしのフォークだろうが、今の私には関係ない

残りのチーズケーキに突き刺して、口に放り込む

もぐもぐ

甘さは控えめだけど、クリームチーズの味はしっかり出ている・・

自分で言うのもおこがましいけど、美味しい
だけど、30点っていったい?

私って味覚オンチ?

皇兄は信じられないという表情で続けた

「30点は嘘。美味いよ。お前にしてはがんばった部類。もう少しレモン果実を入れたらいいのと、冷蔵庫からすぐ出して食べるより、すこし時間を置いてから食べるとより美味しいと思う。だから70点」

「えー。それでも70点なの?」

「オレのフォークを使ったから、10点減点。二度とするなよ」

「うん」

皇兄は以外に潔癖症

兄妹なんだから、ちょっとぐらい使ったっていいと思うんだけど

ほんとに細かいんだから

でも、皇兄に今までで最高の点数もらっちゃった

これで、自身もって明日学校に持って行けるよ

「ありがと。皇兄」

ぶっきらぼうに溜息をつきながら、顔を赤く染めた皇兄に私は気がつかなかった