小さい頃、私は王女をめざしていた。
今でも可愛いものが好きだしドレスだって着る。しかし…私は今は王子をめざしている。


14歳になった時、私は一つ下の弟。海神 緋色の出陣を喜んだ。緋色はとても気の弱い少年だったがきっとこれで自信を持って戻ってきてくれる。私は乗り気じゃない緋色を戦場に行くように助長した。

その後、緋色は帰ってこなかった。帰ったお父様に緋色のことをきくと、水の国の第1王子が戦場にいて、緋色を刺したとの事だった。

…私のせいだ。私のせいで緋色は死んだ。
まだ早かったのだ、16になるまで待つべきだった。13で出陣など早かったのだ。だから私は決めた。

弟のために、私が王子になる。

私はその日から王子になることにした。王女になる夢は諦めた。

……それと同時に、私が王女を目指していた理由は全て記憶から抜け落ちてしまった。
忘れたかったわけじゃない、思い出そうとすると酷い頭痛がし、気を失ってしまうのだ。
頑張っても思い出せないのだ。そんな重要なものではなかったのだろう……きっと……。