透李とあむの結婚式は海神王宮の中で行われた。
炎の国は焔神教という宗教を信仰していて炎の国の結婚式は大抵教会で行われるが、透李もあむも元々炎の国の住民ではなかったし、2人ともお互いが出会った王宮で、式を上げたいとのことで王宮で結婚式をすることになった。

結婚式は、ウエディングドレスにテンションの上がったあむがコケそうになったり、神父の言葉に透李が得意の厨二病セリフを返して一瞬場が凍りついたりしつつ穏やかに進んで行った。

ケーキ入刀のケーキの出来がとてもよく、メイド長が頑張ってくれたのかと思ったら、執事長はおろか、イリスまで手伝ってなんと爆発しなかったらしい。奇跡だ。

「まぁ、結婚したし暫くは暇を取らせるから新婚旅行でもなんでも行ってこい。土産と土産話を待っているから」

と緋女に言われ、2人で透李の学園にも顔を出そうという話になり、志瑞也も大いに喜んでいた。

結婚式自体は夕方頃には終わったが、そのまま宴会状態になり使用人達も今日だけは身分を関係なく呑みの場を楽しんだ。

その間に透李とあむは主役なのにも関わらず抜け出して中庭にやってきた。