「初めまして、稲垣 志瑞也様。わたくしは蛛藍 蜘歳と申します。貴方のご友人、草ヶ谷 透李さんと同じ職場で働かせていただいております」

かっこいい燕尾服を着たかっこいいお兄さんがそういって、僕に恭しく頭を下げてきた。

「透李くんと同じ………職場…?」

職場と言う言葉に戸惑った。透李くんが仕事をしていることにも驚いたし、蛛藍さんの丁寧な言動と僕の記憶の透李くんが違いすぎて同じ仕事をできるとは思えなかった。

「はい、わたくしは炎の国プラーナの第1王子、海神 緋女様の専属執事兼護衛です。そして透李は緋女様の外出時の護衛。普段はプラーナ軍第1部隊の副隊長をしております」

……??副隊長?色々頭が追いつかない。

「…えと、なんの御用ですか?」

とりあえず、話を最後まで聞くことにする。すると蛛藍さんは僕にポストカードサイズの封筒をわたしてきた。開けるように言われ、開けてみるとそこには……

「この度透李が結婚する運びとなりました。それは結婚式の招待状ですね。透李には極秘で彼の特に仲の良かった方を探りまして、貴方に辿り着きました。…わたくしは貴方を透李の1番のご友人だと確信致しました。宜しければ、共にプラーナまで行きませんか?3日後、また伺います」

僕の返事を待たず、蛛藍さんはそういって、僕の部屋からでていった。

結婚?結婚式?まだ透李くん学生だよね??16歳だよね!?どうゆうこと!でも、なにより…

「一番の…友達…」

僕は透李くんの結婚式に出席するために、炎の国プラーナに行くことにした。