「我と人生の理を共に探究してくれないか?」

澄ました声でそういった。

「へ?」

あむは間抜けな声を出してしまう。先に進みたいと言っていたのに、前の透李に戻ってしまって頭が追いつかない。これは逆に後退しているようにさえ思う。

すると透李の肩のブログメントが深くため息を吐いた。

『草ヶ谷 透李』

透李を窘めるような少し不機嫌な声を出したブログメントに透李はバツが悪そうにした。そして、あむに目を向けた。その顔からは澄まし顔がすでに抜け落ちていて、熱っぽい視線を向けられる。

「あむ…」

意を決したような透李に胸がドクンとなる。

「は、はい」

「ぼ、僕と……結婚、して…!」

今までの日常が一気に壊され、もっと良い日常が再構築されて行くような高揚感が全身を駆け巡り、気づけば

「はい!おらちでよければ!」

と答えていた。

透李はまさか成功すると思っていなかったのか、びっくりした顔をしていたが、返事を貰ったことを理解して飛び上がって喜んでいた。

「改めて、よろしく、あむ」

「よろしくっす、透李っち」

お互い照れたように笑い、キスで将来を誓いあった。