「えーっと、イリスとケーキを作ってたのは分かりました。あの廊下のベッタリはなんすか?」

「……何故か1回目の練習で爆発しちゃって………。服を着替えに一緒に自室に向かってたら、僕の目にゴミが入って…イリスさんが気にしてくれたんだ」

どうやらそれであむを見つけて動揺し、意味もなく必要以上に飛び退いてしまったらしい。イリスも透李も優しいから、気を使いすぎたのだろう。

「じゃあ……楽しそうに料理していたのはなんすか?」

「え?楽しそうだったかな。そんなつもりはなかったんだけど…。あむに食べてもらおうって思ってたから…楽しかったのかも?失敗ばっかりだけど、食べれないものができることはなくなったし」

透李が柔らかく笑う。いつものラフな部屋着、黒目じゃない透李が柔らかく笑うのでドキッとしつつ、勘違いに頭を下げる。

「勘違いで怒ってごめんっす」

「怒られるのは仕方ないよ、ちゃんと話せなくてごめんね。イリスさんにも迷惑かけちゃった」

「おらちからちゃんと謝っておくっす」

「僕も……謝れれば…。はは……、謝れるかな」

「で、透李っちはケーキどうするんすか?」

「あー…バレちゃったし、諦めようかな。ごめんね、サプライズしたかったんだけど」

透李がスポンジとクリームをすこし寂しそうに見たので、あむはある提案をした。

「え?いいの?」

「いいどころか。うれしいっす」

「じゃあ…──」